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年末早割キャンペーン|事前学習併用型トレーニング
【年末早割トレーニングキャンペーン】事前学習併用型トレーニング15%OFF

このたび、2023年9月に新科目「シングルセルRNA-seq解析・発展」をリリースし、monocle3を用いた擬似系譜解析、velocytoを用いたRNA velocity解析を学習いただけるようになりました。
新科目リリースを記念し、さらに私達のサービスをご愛顧いただいている皆様への感謝も込めて「年末早割トレーニングキャンペーン」を実施いたします。
キャンペーン対象は、事前学習併用型トレーニングとなります。
もちろん、「シングルセルRNA-seq解析・発展」も事前学習併用型トレーニング対応科目となります。
是非、この機会にご検討ください。

▼新科目の中身を試しに少しだけ視聴してみる▼

対象期間 2023年12月25日(月) までにご発注、2024年1月31日までに事前学習の受講終了
キャンペーン割引対象 事前学習併用型トレーニング全科目15%オフ
実施形式 事前学習併用型択
注意事項 同時双方向型、訪問トレーニング、概論セミナーは対象外

事前学習併用型トレーニングの特徴と科目

事前学習併用型トレーニングの特徴

・バイオインフォマティクスの経験豊富な講師によるトレーニング動画をいつでも視聴(2週間)
・動画視聴期間はトレーニング用サーバを利用できるので自分のペースで実践的な学習が可能
・事前学習終了後に復習や疑問解消のための Web会議形式のハンズオン質問会(2時間)を開催

事前学習併用型トレーニング科目

「OPEN ▼」すると、トレーニング科目の詳細が表示されます。

基礎科目OPEN
Linux入門 学習目的多くの解析の基盤となるLinux操作技術を、バイオインフォマティクスに必要十分なレベルで習得
講義内容Windows, Macとは異なるOSのディレクトリ構造の理解、テキストファイル加工、ソフトウェアインストールなど
R入門 学習目的バイオインフォマティクス業界で頻繁に使われる統計ソフト Rの操作技術習得
講義内容Rの基本的な操作方法、作図、解析目的に応じた公開パッケージのインストール・使用方法など
応用科目OPEN
RNA-seq解析 学習目的RNA-seq解析による発現変動遺伝子の検出、二群間比較の習得
講義内容公開シーケンスデータを用いたオープンソースソフトウエアによる、QCからGO・パスウェイエンリッチメント解析までの実践的な実習
シングルセル
RNA-seq解析
【Seurat】
学習目的Seuratを用いたシングルセルRNA-seq解析技術を習得
講義内容公開シーケンスデータを用いたオープンソースソフトウエアによる、クラスタリングやマーカー遺伝子探索とセルタイプ同定などの実践的な実習
シングルセル
RNA-seq解析
発展
学習目的シングルセルRNA-seq解析の擬似系譜解析とvelocity解析を習得
講義内容公開シーケンスデータを用いたオープンソースソフトウエアによる、擬似系譜解析・RNA velocity解析の実践的な実習

おすすめの科目構成

シングルセルRNA-seqを始めたい
【基礎科目】R入門
【応用科目】シングルセルRNA-seq解析【Seurat】
【応用科目】シングルセルRNA-seq解析・発展

お客様の声

事前学習期間中に自分のペースで、理解度の浅いところなど重点的に学習できた。また、整備されたサーバ上でデータ解析を繰り返し実習でき、トライ&エラーで理解度が上がってよかった。事前学習でつまづいた部分もあったが、ハンズオン質問会で解決できた。

大学臨床研究医

臨床研究医
平日の昼間は皆忙しく、突発的なオペがあったりと都合も合わせづらいので、バラバラの日程でも受講ができる事前学習併用型を選んだ。おかげで日曜、祝日、夜間など自分の都合の良い時間に学習できた。

大学臨床研究医

臨床研究医
ハンズオン質問会ではデータ解析の単純な解説にとどまらず、妥当なパラメータ設定やどういう場合に役立つツールかなど実践を想定した疑問について、専門の方から有益なことを教えてもらえたので大変良かった。

国立研究所研究員

国立研究所研究員
RNA-seq WET&DRY解析【年末早割受託解析キャンペーン】

RNA-seq  WET&DRY解析【年末早割受託解析キャンペーン】

論文作成には欠かせない
Gene Ontology解析
パスウェイ解析

まで込みのスペシャルプライス

4.0万円/サンプル
(税込44,000円)
※20サンプル以上の場合の価格
※6~19サンプルの場合は4.5万円/サンプル(税別)

▼データ解析の専門家による報告会の様子をご覧ください▼

サービス内容

【RNAシーケンス】
○ ライブラリ調製
○ Illumina社 NovaSeq6000による(PolyA 4Gb/13.3Mペアエンドリード、non stranded RNA-seq)シーケンシング
※4Gbを超える場合や、strand specific RNA-seqをご希望の場合はお問合せください
【バイオインフォマティクス解析】
○ 解析レポート、最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション、結果データ一式の納品)
○ 発現定量解析:マッピング、 発現定量、階層的クラスタリング (ヒートマップ描画)、 主成分分析
○ 二群間の発現量比較解析:Volcano plot
※サンプル数によって対応可能な組み合わせ数が異なります。統計的な解析には 各群3サンプル以上必要です。
○ エンリッチメント解析:Gene Ontology解析、パスウェイ解析 (Reactome)

データ解析内容

解析結果

サンプル要件 / 注意事項

サンプルタイプ:total RNA

総量(ng) 液量(µL) 濃度(ng/µL) RIN値 純度
200以上 10以上 20以上 4.0以上
with flat base line
OD260/280 = 1.8-2.2
OD260/230 ≥ 1.8
no degradation,
no contamination
  • ※ サンプルQCでRNA総量またはRIN値が非常に低い場合は、再提出をお願いすることがございます。
  • ※ シーケンシングはシンガポールにて実施します。
  • ※ 海外輸送費・ 納品にかかる費用 (クラウドまたはHDD) を別途頂戴します。
  • ※ ヒトおよびマウス、ラット以外の生物種をご希望の場合は、お問合せください。
  • ※ 本サービスは6サンプル以上から承ります。

ご利用の流れ

ご利用の流れ(WET&DRY)

  • 研究目的、サンプル情報をヒアリングし、お見積りを作成します。
  • ご発注後、サンプルを準備いただき、シーケンスを行います。
  • 報告会にて、高次解析結果の報告および解釈について、ご報告します。

RNAseq解析とは

 RNAseq解析とは、次世代シーケンサー(NGS)を用いて転写物の塩基配列を決定する方法です。この配列をリファレンスゲノムへアライメントし、転写産物毎の発現量を測定し、通常はサンプル間の発現量の比較解析を行います。スプライスバリアント毎の発現解析、融合遺伝子検出、変異解析、新たな転写産物の予測を行うことができます。
 リファレンスゲノムのない生物の場合でも、配列をアセンブルして転写産物モデルを構築し、アライメントさせて解析することができます。

実験のポイント

 解析対象のRNAの種類に適したライブラリー調整キットを用いて、ライブラリー作成を行います。必要なシーケンス量は、生物種や何をプロファイリングしたいかによって異なります。ヒトやマウスの場合、最低でも2000万リード、4Gbp以上の測定が推奨されます。スプライスバリアント(アイソフォーム)の検出や新規転写産物を探索する場合、もしくはFFPEサンプルやnon-conding RNAを扱う場合には、シーケンス量を増やす必要があります。

解析のポイント

 NGSによるシーケンスで得られた配列は、FASTQというファイル形式で保存されます。この配列をスプライシングを考慮してゲノム配列にマッピングします。この結果は、BAM形式ファイルで保存され、IGV (Integrative Genomics Viewer)などのゲノムビューワーを用いて閲覧できます。
 発現量は、リードカウント、または、補正値を用います。FPKM (Fragments Per Kilobase of exon per Million mapped fragments)やTPM (Transcripts per million)は、発現量をエクソン長と全マッピング数で補正した値です。CPM (Counts per Million mapped reads)は、発現量を全マッピング数で補正した値です。
 2群間の比較解析では、発現量の比をlogスケールで表現した値、もしくはt検定による有意差P値がよく用いられます。

研究目的別高次解析のポイント

 臨床上の特徴や薬剤が遺伝子発現にどのような影響を及ぼすのかを、発現変動が観測された遺伝子に注目し、特定のパスウェイや生物学的な機能のまとまりで、その意味を捉えることが高次解析の目的です。
 このためには以下に示しますように、データの特徴を把握した上で2群間比較による発現変動遺伝子解析を行い、その上で研究目的に応じた生物学的な機能を理解するための解析手法を適切に選択することが重要となります。

データの特徴の把握

・主成分分析

主成分分析

 全サンプルを対象に、遺伝子発現の傾向を二次元プロットで表現します。これにより、二次元上にプロットされた各サンプル間の距離から、類似性を読み取ることができます。複数サンプルの発現プロファイルの類似度を視覚化し、その後の解析で群間の差を見出すことができるデータであることを確認します。 主成分分析

・階層的クラスタリングのヒートマップ

階層的クラスタリングのヒートマップ

 縦軸に遺伝子、横軸にサンプルを配置し、発現量を色で表現します。
 各軸でクラスタリングを実施し、群ごとに同じまたは近いクラスタに分類します。はずれ値を持つサンプルを確認できます。
階層的クラスタリングのヒートマップ

2群間比較による発現変動遺伝子解析

 2群間で有意に発現量に差がある遺伝子群を特定します。

・Volcano plot

Volcano plot

 2群間の比較解析において、有意差P値(logスケール)と発現量の比(logスケール)を2次元プロットで表現します。各プロットの点は遺伝子に該当し、有意に変動している(p値や発現量比)遺伝子数の概観の確認や、変動の傾向の把握に使用します。
 各点に該当する遺伝子名を重ねて表記するなどし、既知の遺伝子で想定される発現変動が起きているかを確認するなど、データの妥当性の検討に用います。
Volcano plot

発現変動遺伝子と生物学的意義

発現変動した遺伝子群の生物学的機能の共通点や、影響を受けているパスウェイ等の探索を行います

・GO(Gene Ontology)解析

GO解析

 Gene Ontologyとは、遺伝子の属性を説明する語彙を体系化・構造化した記述方法です。GOは生物学的プロセス、細胞の構成要素、分子機能の3カテゴリーに分けることができ、それぞれのカテゴリーにはさらなる下位概念が定義されています。有意に変動した遺伝子群がどのような生物学的概念にエンリッチしているかを解析することで、比較対象が影響を与えている生物学的機能を捉えます。
 最上位GOから、下位GOまでの繋がりを図に示します。それぞれのGOのエンリッチメント解析結果は色の濃淡で有意差(P値)の大きさを表します。
GO解析
シングルセルRNA-seq WET&DRY解析【年末早割受託解析キャンペーン】

シングルセルRNA-seq WET&DRY解析【年末早割受託解析キャンペーン】

論文作成には欠かせない
パスウェイ解析
擬似系譜解析

まで込みのスペシャルプライス

103万円/サンプル
(税込1,133,000円)
※2サンプル以上の場合の価格
※1サンプルのみの場合は110万円/サンプル(税別)

▼データ解析の専門家による報告会の様子をご覧ください▼

サービス内容

【シングルセルRNAシーケンス】
○ 10x Genomics社 Chromiumによるライブラリ調製
○ Illumina社 NovaSeq6000による120Gbのシーケンシング
○ Cell Rangerによる発現定量
【バイオインフォマティクス解析】
○ 解析レポート、中間報告および最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション)
○ 発現定量解析(クオリティコントロール、正規化、データ統合、次元削減、クラスタリングおよびUMAP上の可視化、クラスタごとの特徴遺伝子の探索、着目遺伝子の発現量可視化(Feature plot, Violin plot))
○ サンプル間比較解析(各クラスタにおけるサンプル間発現比較解析、GO(Gene Ontology)解析、Reactomeパスウェイ解析)
○ 擬似系譜解析(Cell trajectoryの推定、Pseudotime の推定、着目遺伝子の発現パターン可視化)

データ解析内容

解析結果

サンプル要件 / 注意事項

サンプルタイプ:細胞

  • 凍結状態であること。
  • 細胞数は106細胞以上であること。
  • 融解後の細胞の生存率が90%以上推奨。
  • 細胞は分散もしくは単離してください。
  • EDTA0.1mM以下、マグネシウム3mM以下、界面活性剤は含まないこと。
  • 細胞サイズが直径30μm以下であること。
  • 40μmのフィルターにかけてください。
  • 凍結の際にはセルバンカー等を用いてください。

 

  • ※ ヒトおよびマウス、ラット以外の生物種をご希望の場合は、お問合せください。
  • ※ 納品にかかる費用 (クラウドまたはHDD) を別途頂戴します。
  • ※ シングルセル遺伝子発現解析は、機器を持ち込んでの出張サービスも承っております。その際には出張費をご請求いたします。また、ノボジーン株式会社ラボにサンプルを持ち込んで頂いてのご利用も可能です。詳細はお問合せください。

ご利用の流れ

ご利用の流れ(WET&DRY)

  • 研究目的、サンプル情報をヒアリングし、お見積りを作成します。
  • ご発注後、サンプルを準備いただき、シーケンスを行います。
  • 中間報告会にて、途中結果の報告および解析方針の確認、内容についてのディスカッションを行います。
  • 最終報告会にて、結果の報告および内容について、ご報告します。

シングルセルRNAseq解析とは

 シングルセルRNAseqとは、細胞の遺伝子発現プロファイルを一細胞レベルで取得して観測する画期的な技術です。これまでのRNAseq解析では、観測対象が細胞集団であり、細胞集団における各遺伝子の”平均的な”遺伝子発現を測定していました。一方、scRNAseqは細胞集団内の個々のトランスクリプトームを捉え、細胞特異的な変化を同定することが可能になります。Science誌において2018年のBreakthrough of the Yearとしても選出された技術であり、近年盛んに研究に用いられています。

実験のポイント

 シングルセルRNAseqでは、細胞の生存率が非常に重要です。
 死細胞が溶解すると周囲にRNAが遊離し、分析時のバックグラウンドノイズの一因となり、シングルセルデータの品質を著しく低下させるため、細胞の生存率を高める必要があります。一般的には生存率90%以上が推奨され、クリアな解析結果を得るためには、80%程度以上の生存率が必要です。
 またライブラリ調整に際しては、細胞数が106以上であること、細胞サイズが直径 30μm以下であること、細胞を分離させておくことなどの条件をクリアする必要があります。

解析のポイント

 特定の細胞種ごとの遺伝子発現プロファイルを確認します。まず、データのクオリティを確認した上で、細胞をクラスタリングし、各クラスターごとに遺伝子発現の状態を把握するための一連の解析を行います。

高次解析により得られる図表の例

バイオリンプロット、クラスタリング結果、Feature plot、UMAP

研究事例

1)がん組織の不均一性における薬物耐性の発生機序解明に関する研究

  •  薬物耐性獲得のメカニズムの解明は、がんの薬物治療において不可欠な要素です。耐性獲得の背景は、様々あるとされていますが、がん組織の不均一性がその原因の一つであると考えられています。Kashimaらは、がん組織の不均一性における薬物耐性の発生機序解明にscRNAseq解析を利用しました(Kashima et al., Cancer Res, 2021)。
  •  具体的には、オシメルチニブ耐性細胞の出現機構を解明するために、EGFR遺伝子に変異をもつヒト肺腺がん細胞株であるNCI-H1975細胞を用いて一細胞解析を行いました。H1975はオシメルチニブ感受性の細胞であることが知られていますが、この細胞を段階的にオシメルチニブに曝露し、各段階での細胞群をscRNAseq解析することで、①親株に少数のオシメルチニブ耐性細胞が存在すること、②オシメルチニブ曝露群にしか出現しない細胞群が存在すること、が明らかになりました。

2)発生/分化分野での毛包形成研究

  •  全世界で男性の50%、女性の25%が薄毛に悩んでいると言われており、自己由来の幹細胞から毛包を誘導する研究が注目されています。しかし、生体内での毛包のde novo形態形成については、毛包の不均一性や非同期的な発達のため、アプローチが難しく理解が進まない状態でした。このような観点から、毛包のde novo形態形成の基礎となる分子経路を明らかにすることは、毛包の発生に関する深い洞察をもたらし、in vitro条件下での毛包の発生を誘導する上で重要な意味を持つと考えられます。
  •  GeらはscRNAseq技術を用いて、様々な分化期におけるマウス背部皮膚から得られた細胞群に対して一細胞のトランスクリプトームを統合的に解析しました(Ge et al., Theranostics, 2020)。その結果、9つの主要な細胞集団の同定と、上皮/真皮細胞系の分化の軌跡を構築することに成功し、細胞の運命決定に関わる主要なレギュロンが順次活性化されていることを明らかにしました。
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RNA-seq データ解析【年末早割受託解析キャンペーン】

RNA-seq  データ解析【年末早割受託解析キャンペーン】

論文作成には欠かせない
Gene Ontology解析
パスウェイ解析

までをプロが支援

2.5万円/サンプル
(税込27,500円)
※20サンプル以上の場合の価格
※6~19サンプルの場合は2.8万円/サンプル(税別)

▼データ解析の専門家による報告会の様子をご覧ください▼

データ解析内容

○ 解析レポート、最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション)
○ 発現定量解析:マッピング、 発現定量、階層的クラスタリング (ヒートマップ描画)、 主成分分析
○ 二群間における発現量比較解析:Volcano plot
※サンプル数によって対応可能な組み合わせ数が異なります。統計的には6サンプル以上が必要です。
○ エンリッチメント解析:Gene Ontology解析、パスウェイ解析 (Reactome)

解析結果

受入れデータ・納品物

受入れデータ形式

  • FASTQファイル

納品物

  • 解析結果の最終レポート(PDF)
  • データ解析結果(PDF、Excel など)
シングルセルRNA-seq データ解析【年末早割受託解析キャンペーン】

シングルセルRNA-seq データ解析【年末早割受託解析キャンペーン】

論文作成には欠かせない
パスウェイ解析
擬似系譜解析

までをプロが支援

21万円/サンプル
(税込231,000円)
※2サンプル以上の場合の価格
※1サンプルのみの場合は23万円/サンプル(税別)

▼データ解析の専門家による報告会の様子をご覧ください▼

データ解析内容

【発現定量解析】
○ クオリティコントロール
○ 正規化、データ統合
○ 次元削減
○ クラスタリングおよびUMAP上の可視化
○ クラスタごとの特徴遺伝子の探索
○ 着目遺伝子の発現量可視化(Feature plot, Violin plot)
【サンプル間比較解析】
○ 各クラスタおけるサンプル間発現比較解析
○ GO(Gene Ontology)解析、Reactome パスウェイ解析
【擬似系譜解析】
○ Cell trajectoryの推定
○ Pseudotimeの推定
○ 着目遺伝子の発現パターン可視化

解析結果

受入れデータ・納品物

受入れデータ形式

  • 発現マトリクスファイル
    ※Cell Ranger で出力したファイルに限ります。その他のファイルの場合にはお問い合わせ下さい。
    ※FASTQファイル(Chromium, 10x Genomics)からの場合には別途費用をご請求いたします。

納品物

  • 解析結果の中間報告資料(PDF)
  • 解析結果の最終レポート(PDF)
  • データ解析結果(PDF、Excel)

 

解析結果レポート例

バイオマーカー探索を目的としたデータ解析を実施した場合の報告書例です。研究目的に応じたご報告を行います。

解析結果レポート例

シングルセルレパトア解析|WET&DRY【新製品発売記念キャンペーン】

論文作成には欠かせない
データ解析まで込み
スペシャルプライス

139万円/サンプル
(税込1,529,000円)

サービス内容

【シングルセルRNAシーケンスおよびレパトア解析】
○ TCRまたはBCRレパトア解析と併せたシングルセル 5’RNA-seq
○ 10x Genomics社 Chromiumによるライブラリ調製
○ Illumina社 NovaSeq6000による3億リードのシーケンシング
○ Cell Rangerによる発現定量およびレパトアContigファイルの作成
【バイオインフォマティクス解析】
○ 解析レポート、中間報告および最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション)
  ● 発現変動遺伝子の群間比較解析
    細胞クラスターごとの特徴遺伝子検討、サンプル間発現比較解析
  ● レパトア解析
    多様性解析、Expansion Cloneの発現パターンの解析、クラスタごとのクローン数解析

サンプル要件 / 注意事項

サンプルタイプ:細胞

  • 凍結状態であること。
  • 細胞数は106細胞以上であること。
  • 融解後の細胞の生存率が90%以上推奨。
  • 細胞は分散もしくは単離してください。
  • 細胞培養に最適化された培地に懸濁してあること。
  • 細胞サイズが直径30μm以下であること。
  • 40μmのフィルターにかけてください。
  • 凍結の際にはセルバンカー等を用いてください。
  • ※ ヒトおよびマウスサンプルのみの対応となります。
  • ※ 納品にかかる費用 (クラウドまたはHDD) を別途頂戴します。

ご利用の流れ

ご利用の流れ(WET&DRY)

  • 研究目的、サンプル情報をヒアリングし、お見積りを作成します。
  • ご発注後、サンプルを準備いただき、シーケンスを行います。
  • 中間報告会にて、途中結果の報告および解析方針の確認、内容についてのディスカッションを行います。
  • 最終報告会にて、結果の報告および内容について、ご報告します。

シングルセルレパトア解析とは

 シングルセルレパトア解析は、細胞集団内の各細胞のトランスクリプトーム解析に加え、 T 細胞受容体 (TCR) や B 細胞受容体 (BCR) 遺伝子の配列を解析することで、T 細胞や B 細胞の多様性と動態をシングルセルレベルで解析できる最新の技術です。
 免疫細胞のTCRやBCRは非常に多様な配列のレパートリー(=レパトア)を持つことが知られており、組織中で高頻度に存在している受容体は、がん細胞やウイルス等の標的抗原を認識する可能性が高いと言われています。
 TCRやBCRの配列を決定するレパトア解析とシングルセルRNA解析を組み合わせることで、標的抗原特異的な免疫細胞の経時的な変化や、さまざまな組織における免疫細胞の発現プロファイルを解析することができます。
 この技術を活用することにより、がんや感染症の予後を予測するマーカー遺伝子の探索や、標的抗原特異的な抗体医薬品の開発に繋がると期待されます。

実験のポイント

 シングルセルレパトア解析では、末梢血等をそのまま解析する場合もありますが、T細胞やB細胞をセルソーター等で分離して解析することが一般的です。分離した場合でも106以上の細胞数が必要となります。
 また、シングルセルRNAseqと同様に、細胞の生存率が非常に重要です。死細胞が溶解すると周囲にRNAが遊離し、分析時のバックグラウンドノイズの一因となり、シングルセルデータの品質を著しく低下させる要因となります。一般的には生存率90%以上が推奨され、クリアな解析結果を得るためには、80%程度以上の生存率が必要です。
 シングルセルの分画やバーコード付けなどを行うシングルセル解析システムとしては、BD Rhapsody™システムや10x Genomicsのシステムが利用されています。

解析のポイント

 実験で測定した、各細胞の発現データおよびVDJ領域のデータを統合的に解析します。まず、データのクオリティを確認した上で、細胞をクラスタリングし、マーカー遺伝子から免疫細胞のサブタイプを同定します。その後、各クラスターについて遺伝子発現プロファイルとTCRおよびBCRのレパトアを解析します。

・クオリティチェック

クオリティチェック
 リード数が少ない細胞やミトコンドリアDNAの割合が高い細胞を、バイオリンプロットを使用して識別します。 これらの細胞はクオリティが低い可能性があるため、解析から除外します。 クオリティチェック

・クラスタリングとUMAPによる次元削減

クラスタリングとUMAPによる次元削減
 UMAP ( Uniform Manifold Approximation and Projecton ) という次元削減の手法を用いて、シングルセルを発現プロファイルに基づいてクラスタリングし二次元にプロットします。同じクラスター内の細胞は、類似した発現プロファイルを示しています。 クラスタリングとUMAPによる次元削減

・Expansion Cloneの発現パターンの解析

Expansion Cloneの発現パターンの解析
 クローナルに増殖している細胞が属するクラスターを解析します。図右端のバーは各クローンの数を示しています。クラスターごとの免疫細胞サブタイプの情報と組み合わせることで、抗原特異的なT細胞およびB細胞のサブタイプを確認することができます。 Expansion Cloneの発現パターンの解析

・クラスタごとのクローン数解析

クラスタごとのクローン数解析
 T細胞およびB細胞の可変領域の中でも多様性に富むCDR3領域の塩基配列をリスト化し、各クラスターで存在する割合を解析します。
 同じクローンの細胞が増えているクラスターや、クラスター間で共通するクローンを確認することができます。
クラスタごとのクローン数解析

・α多様性解析

α多様性解析
 α多様性とは集団内での多様性を意味し、レパトア解析においてはクラスター内で多様なTCR/BCRレパトアが含まれている場合に高値を示します。例えば、病態が進行している状態ではクローナルな細胞が増えることで、α多様性が低下する傾向が見られます。クラスターごとにα多様性を解析することで、病態が進行している組織で増加することが知られている細胞を持つクラスターを確認することができます。 α多様性解析
シングルセルレパトア解析|データ解析【新製品発売記念キャンペーン】

免疫細胞のクローナリティの解析を行うサービスです。抗原を認識している可能性が高いクローンの発現プロファイルの解析や、レパトアの大きいクローンにおけるIR可変部位の配列解析を行います。

25万円/サンプル
(税込275,000円)

データ解析内容

【発現定量解析とサンプル間比較解析】
● クオリティコントロール
● 正規化、次元削減
● データ統合
● クラスタリングおよびUMAP上の可視化
● クラスタごとの特徴遺伝子の探索
● 各クラスタにおけるサンプル間発現比較解析
【TCR/BCRレパトア解析】
● α多様性解析
● Expansion Cloneの発現パターンの解析
● クラスタごとのクローン数解析
【オプション解析】
● 各クローンにおけるマーカー遺伝子解析
● エピトープ解析

解析結果レポート例

解析結果

受入れデータ・納品物

受入れデータ形式

下記データ形式からご選択いただけます。
  • Seven Bridge (BD RhapsodyTMシステム) の出力データ形式(AIRR)
  • cellranger vdj (10x Genomics)の出力データ形式
※FASTQからの場合には別途費用を頂戴します。

納品物

  • 解析結果レポート(最終報告)
  • データ解析結果(PDF、Excel)
WESがん変異解析|WET&DRY【新製品発売記念キャンペーン】

シーケンスに加えて、
論文作成には欠かせない
データ解析・作図まで込み
スペシャルプライス

14.9万円/症例
(税込163,900円)

サービス内容

【Whole Exome シーケンス】
○ ライブラリ調製
○ 腫瘍組織 12Gb/サンプル(NovaSeq6000 PE150)
○ 正常組織  6Gb/サンプル(NovaSeq6000 PE150)
【バイオインフォマティクス解析】
○ 解析レポート、最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション)
○ 体細胞変異検出:クオリティコントロール、マッピング、体細胞変異(SNV/InDel)検出、遺伝子情報アノテーション
○ データベースアノテーション及び計算予測:dbSNP、gnomAD、ClinVar、PROVEAN、SIFT、phastCons
○ 高次解析(3症例, 6サンプル以上の場合):Oncoplot作成、Tumor Mutation Burden 算出、Driver gene解析
※サンプル数によって対応可能な組み合わせ数が異なりますのでご相談ください

サンプル要件 / 注意事項

サンプルタイプ:genomic DNA

推奨DNA量(ng) 液量(µL) 濃度(ng/µL) 純度
300以上 20以上 20以上 OD260/280 ≥ 1.8
OD260/230 ≥ 1.8
no degradation,
no contamination
  • ※ 過度のRNAの混入がないこと。タンパク質・フェノール等の不純物の混入がないこと。
  • ※ 再懸濁溶液は、純水 ( DNase/RNase-free )、EBまたはlow TE ( < 0.1 mM EDTA )
  • ※ シーケンシングは海外(シンガポール)にて実施します。オプションとして国内でのシーケンシングも対応可能です。
  • ※ 海外輸送費・ 納品にかかる費用 (HDD) を別途頂戴します。
  • ※ 対象生物種はヒトのみとなります。

ご利用の流れ

ご利用の流れ(WET&DRY)

  • 研究目的、サンプル情報をヒアリングし、お見積りを作成します。
  • ご発注後、サンプルを準備いただき、シーケンスを行います。
  • 報告会にて、高次解析結果の報告および解釈について、ご報告します。

WESがん変異解析とは

 がんの診断や治療薬の効果・副作用の予測、治療抵抗性や予後の予測において、ゲノム変異がバイオマーカーとして活用されつつあります。特に体細胞変異は治療薬の効果を予測するマーカーとなり得ます。近年急速にゲノム配列のシーケンシングコストが低下しており、マーカーを探索するために全ての遺伝子領域における変異を網羅的に解析するホールエクソームシーケンス(WES)を活用することが一つの有効な手段となっています。
 がんと正常サンプルのシーケンスデータを比較することで体細胞変異を検出し、既知のアノテーションを付与し、変異が蓄積している遺伝子と臨床情報の関連性を可視化するなどの解析を通じて、バイオマーカーの候補を検討することができます。

実験のポイント

 一般的には、がん変異解析には同一患者のがん組織と正常組織のゲノムDNAが必要となるため、それぞれの組織のサンプルを準備します。がん組織のゲノムDNAは、手術検体試料や病理診断の際の生検試料の一部をサンプルとして利用することが多いため、ホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織サンプルからの抽出が主となります。ただし、FFPEの検体は試料作成までの時間によってDNAの品質の低下をもたらす可能性があるため、組織抽出から固定までの時間を短くする必要があります。また、ホルマリン固定液の組成、濃度、pHなどの条件も重要となります。さらに、ホルマリンに長期固定すると、DNAの塩基置換が生じて、それが変異の擬陽性として検出されます。
 一方、新鮮凍結(FF)サンプルは、DNA抽出に非常に適していますが、サンプル調製と保存に費用がかかります。

 次世代シーケンサ(NGS)でシーケンスする際に、採取したがん組織のサンプルに多くの正常細胞が混入していると、がん細胞由来のゲノムDNAの割合が相対的に減少するため、検出精度の低下を招く可能性があり、米国がんゲノム解析プロジェクト等ではがん細胞含有率は30%以上であることが推奨されてます。
 一方、正常組織のゲノムDNA の採取は、おもに末梢血から密度勾配遠心法を用いて分離された単球やリンパ球を含む単核球(PBMC :Peripheral Blood Mononuclear Cells)より採取されます。
 がんのWESでは、がん組織のゲノムを高解像度で決定する必要があるため、がん組織のサンプルを約 x100(12Gb)、正常組織のサンプルを 約 x50(6Gb)程度のカバレッジでシーケンスするなど、がん組織のサンプルを厚めにシーケンスすることが推奨されています。

変異解析のポイント

 NGSによるシーケンスで得られた配列は、FASTQというファイル形式で保存されます。この配列を参照ゲノム配列にマッピングします。この結果は、BAM形式ファイルで保存され、IGV (Integrative Genomics Viewer)などのゲノムブラウザを用いて可視化できます。
 腫瘍組織のシーケンスデータには、生殖細胞系列の変異も含まれているため、正常組織のシーケンスデータと比較し、生殖細胞系列の変異を除いた体細胞変異を検出します。その際は、正常組織の混入により腫瘍組織の純度は100%でないことや、腫瘍組織に複数のサブクローンが存在すること、コピー数変異が存在することを考慮し、それぞれの変異について、アレルの割合(variant allele frequency, VAF)の変動を許容して体細胞変異を検出します。
 検出された変異は、どの遺伝子上の変異か、どの程度翻訳後のアミノ酸に影響を与えるかなどの生物学的なアノテーション(意味づけ)、疾患との関連が報告されているかなど公共データベースと照らし合わせる方法でナレッジベースの分析を行い、着目すべき変異を絞り込みます。

【変異抽出結果の例】

主成分分析

・IGVによる変異の可視化

IGVによる変異の可視化

 解析によって得られたマッピング情報(BAM形式)と体細胞変異情報(VCF形式)は、フリーの可視化ツールであるIGVに読み込ませることで、シーケンスの様子と候補となる変異を視覚的に把握することができます。 特に、腫瘍組織割合やサブクローンの影響によって生じた低VAFの様子を直感的に理解するために役立ちます。 IGVによる変異の可視化

高次解析のポイント

・Oncoplot(オンコプロット)

Oncoplot(オンコプロット)
 遺伝子ごとに観測された変異の種類、サンプル全体に占める割合を要約・可視化することで、患者群に共通する遺伝子や変異の特徴を視覚的に把握することができます。さらに、遺伝子変異を臨床情報のカテゴリごとに分けてプロットすることで、臨床的な特徴と関連している特定の遺伝子変異の有無を探索することができます。 Oncoplot(オンコプロット)

・TMB解析(Tumor Mutation Burden 解析)

 遺伝子変異量(TMB)とは、がん細胞に蓄積した体細胞変異の総量を示す値で、百万塩基あたりの変異塩基数で表されます。TMBは、がんの種類や発生メカニズムにより特徴的になることが知られているほか、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果予測にも用いられています。

・Driver gene解析

 発がんやがんの悪性化の直接的な原因となるような遺伝子をドライバー遺伝子と呼びます。既知のドライバー遺伝子に変異が存在するかを解析することで、がんの原因遺伝子を推測することができます。既知の遺伝子として、TCGA(The Cancer Genome Atlas)など公共データベースで取りまとめられているリストを用います。

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5.8万円/症例
(税込63,800円)

データ解析内容

【体細胞変異検出】
● データのクオリティコントロール
● 参照ゲノム(hg38)へのマッピング
● 体細胞変異(SNV/InDel)検出
● 遺伝子情報アノテーション
○ 生物学的アノテーション (snpEff)
○ 集団遺伝学的データベースアノテーション(dbSNP, gnomAD, ClinVar)
○ 計算予測アノテーション(PROVEAN, SIFT, phastcons)
● エクセル形式への変換
【高次解析】
3症例, 6サンプル以上の場合に実施いたします。
● Oncoplot作成(臨床情報にもとづいてグループ分け可)
● Tumor Mutation Burden 算出
● Driver gene解析

解析結果レポート例

体細胞変異の詳細な一覧、バイオマーカー探索を目的としたデータ解析(サンプル数によります)を実施した場合の報告書例です。研究目的に応じたご報告を行います。

解析結果

受入れデータ・納品物

受入れデータ形式

  • FASTQファイル、ターゲットBEDファイル
  • 正常組織・腫瘍組織の情報
  • 検体の臨床情報 (Oncoplot作成用、任意)
  • ※ 1症例につき、正常組織と腫瘍組織のサンプルがペアで必要となります。
  • ※ 対象生物種はヒトのみとなります。

納品物

  • 解析結果レポート(最終報告)
  • 体細胞変異検出結果(Excel、アノテーション済みVCF)
  • データ解析の中間ファイル(BAM)
  • 高次解析結果(PDF)
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サービス内容

【RNAシーケンス】
○ ライブラリ調製
○ Illumina社 NovaSeq6000による(PolyA 4Gb/13.3Mペアエンドリード、non stranded RNA-seq)シーケンシング
※4Gbを超える場合や、strand specific RNA-seqをご希望の場合はお問合せください
【バイオインフォマティクス解析】
○ 解析レポート、最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション)
○ 発現定量解析:マッピング、 発現定量、階層的クラスタリング (ヒートマップ描画)、 主成分分析
○ 二群間の発現量比較解析:Volcano plot
※サンプル数によって対応可能な組み合わせ数が異なりますのでご相談ください
○ エンリッチメント解析:Gene Ontology解析、パスウェイ解析 (Reactome)

サンプル要件 / 注意事項

サンプルタイプ:total RNA

総量(ng) 液量(µL) 濃度(ng/µL) RIN値 純度
200以上 10以上 20以上 4.0以上
with flat base line
OD260/280 = 1.8-2.2
OD260/230 ≥ 1.8
no degradation,
no contamination
  • ※ サンプルQCでRNA総量またはRIN値が非常に低い場合は、再提出をお願いすることがございます。
  • ※ シーケンシングはシンガポールにて実施します。
  • ※ 海外輸送費・ 納品にかかる費用 (クラウドまたはHDD) を別途頂戴します。
  • ※ ヒトおよびマウス、ラット以外の生物種をご希望の場合は、お問合せください。

ご利用の流れ

ご利用の流れ(WET&DRY)

  • 研究目的、サンプル情報をヒアリングし、お見積りを作成します。
  • ご発注後、サンプルを準備いただき、シーケンスを行います。
  • 報告会にて、高次解析結果の報告および解釈について、ご報告します。

RNAseq解析とは

 RNAseq解析とは、次世代シーケンサー(NGS)を用いて転写物の塩基配列を決定する方法です。この配列をリファレンスゲノムへアライメントし、転写産物毎の発現量を測定し、通常はサンプル間の発現量の比較解析を行います。スプライスバリアント毎の発現解析、融合遺伝子検出、変異解析、新たな転写産物の予測を行うことができます。
 リファレンスゲノムのない生物の場合でも、配列をアセンブルして転写産物モデルを構築し、アライメントさせて解析することができます。

実験のポイント

 解析対象のRNAの種類に適したライブラリー調整キットを用いて、ライブラリー作成を行います。必要なシーケンス量は、生物種や何をプロファイリングしたいかによって異なります。ヒトやマウスの場合、最低でも2000万リード、4Gbp以上の測定が推奨されます。スプライスバリアント(アイソフォーム)の検出や新規転写産物を探索する場合、もしくはFFPEサンプルやnon-conding RNAを扱う場合には、シーケンス量を増やす必要があります。

解析のポイント

 NGSによるシーケンスで得られた配列は、FASTQというファイル形式で保存されます。この配列をスプライシングを考慮してゲノム配列にマッピングします。この結果は、BAM形式ファイルで保存され、IGV (Integrative Genomics Viewer)などのゲノムビューワーを用いて閲覧できます。
 発現量は、リードカウント、または、補正値を用います。FPKM (Fragments Per Kilobase of exon per Million mapped fragments)やTPM (Transcripts per million)は、発現量をエクソン長と全マッピング数で補正した値です。CPM (Counts per Million mapped reads)は、発現量を全マッピング数で補正した値です。
 2群間の比較解析では、発現量の比をlogスケールで表現した値、もしくはt検定による有意差P値がよく用いられます。

研究目的別高次解析のポイント

 臨床上の特徴や薬剤が遺伝子発現にどのような影響を及ぼすのかを、発現変動が観測された遺伝子に注目し、特定のパスウェイや生物学的な機能のまとまりで、その意味を捉えることが高次解析の目的です。
 このためには以下に示しますように、データの特徴を把握した上で2群間比較による発現変動遺伝子解析を行い、その上で研究目的に応じた生物学的な機能を理解するための解析手法を適切に選択することが重要となります。

データの特徴の把握

・主成分分析

主成分分析

 全サンプルを対象に、遺伝子発現の傾向を二次元プロットで表現します。これにより、二次元上にプロットされた各サンプル間の距離から、類似性を読み取ることができます。複数サンプルの発現プロファイルの類似度を視覚化し、その後の解析で群間の差を見出すことができるデータであることを確認します。 主成分分析

・階層的クラスタリングのヒートマップ

階層的クラスタリングのヒートマップ

 縦軸に遺伝子、横軸にサンプルを配置し、発現量を色で表現します。
 各軸でクラスタリングを実施し、群ごとに同じまたは近いクラスタに分類します。はずれ値を持つサンプルを確認できます。
階層的クラスタリングのヒートマップ

2群間比較による発現変動遺伝子解析

 2群間で有意に発現量に差がある遺伝子群を特定します。

・Volcano plot

Volcano plot

 2群間の比較解析において、有意差P値(logスケール)と発現量の比(logスケール)を2次元プロットで表現します。各プロットの点は遺伝子に該当し、有意に変動している(p値や発現量比)遺伝子数の概観の確認や、変動の傾向の把握に使用します。
 各点に該当する遺伝子名を重ねて表記するなどし、既知の遺伝子で想定される発現変動が起きているかを確認するなど、データの妥当性の検討に用います。
Volcano plot

発現変動遺伝子と生物学的意義

発現変動した遺伝子群の生物学的機能の共通点や、影響を受けているパスウェイ等の探索を行います

・GO(Gene Ontology)解析

GO解析

 Gene Ontologyとは、遺伝子の属性を説明する語彙を体系化・構造化した記述方法です。GOは生物学的プロセス、細胞の構成要素、分子機能の3カテゴリーに分けることができ、それぞれのカテゴリーにはさらなる下位概念が定義されています。有意に変動した遺伝子群がどのような生物学的概念にエンリッチしているかを解析することで、比較対象が影響を与えている生物学的機能を捉えます。
 最上位GOから、下位GOまでの繋がりを図に示します。それぞれのGOのエンリッチメント解析結果は色の濃淡で有意差(P値)の大きさを表します。
GO解析
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