amelieff home > 入門編|令和5年度がんのゲノム解析研修会
入門編(令和5年度)
- カリキュラムCLOSE
-
バイオインフォマティクスの経験のない方も対象として、がんゲノム医療に関する基礎的な知識を習得する内容となります。
章 タイトル 内容 1 がんゲノム医療概論 - ゲノム(DNA配列)解析とは何か、仕組みとセントラルドグマについて
- がんとゲノム解析の関係(ドライバー遺伝子、抑制遺伝子、免疫チェックポイント、RNA解析)
- ゲノム解析によるがんにおける精密医療について(バイオマーカー、治療標的、治療プランの3つの目的)
2 サンプル調製 - 生体サンプルの取得からNGSにかける前までの処理について・固形癌にはNGS検査を考慮した病理の指針・血液癌には、正常対照に関する注意点
- 検体の品質管理について
3 遺伝学的検査とNGSのメリット - NGSの原理や特性、できることとできないこと、ショートリード・ロングリード、Fastqを得るところまで
- 他の検査手法との対比に基づいて解説する
- NGSが万能ではないこと、どのように使い分けるべきか
4 がんゲノムデータの1次解析 - Fastqからデータ解析(Fastqからalignment まで。生物学的意味づけは4章以降)
- 参照ゲノム配列と検体ごとの配列の違いから変異を検出(体細胞変異)
- 構造異常(融合遺伝子含む)、VCF、コピーナンバーバリエーション
- MSI、TMB
- Germline変異について
- 多種多様な公開データベースへ登録されていること、国際プロジェクトの紹介(TCGA、ICGC)
5 1次解析から得られた結果の臨床的な意義づけ - がん体細胞変異やがん細胞含有率がデータ解析に影響する
- 公開DBと検体の変異情報との照合でアノテーション手法や意味
- 1次データの意義づけ(構造異常(融合遺伝子含む)、VCF、コピーナンバーバリエーション)
- ClinVar、COSMIC、OncoKB, CancerGenomeInterPreter(詳細は7章で)
6 臨床におけるがんゲノム医療(抗がん剤選択、治験情報活用) - 公開DBから、抗がん剤や治験に関する情報の抽出(OncoKB, CancerGenomeInterPreter)
- エキスパートパネルでの検討内容や課題、WGS特有の課題(パネル検査との違い)
- 臨床担当医師へ伝達する情報について
7 がんゲノム医療データベースの活用とデータ共有 - 公開DBの信頼性や注意点を解説
- 変異に対しがんに関するアノテーション
- データベースへの登録作業(入門編では概略、操作は応用編で)
- データベースの管理、ディレクトリ構造(入門編では概略、操作は応用編で)
- データシェアリングの重要性(日本人に特化したデータベース構築が重要)
<コラム> ※テキストのみ
①がんゲノム医療データの統計的活用
②蓄積情報によるデジタル創薬やドラッグ・リポジショニング
③AIによるリアルワールドデータやPHRとの統合解析
④がんゲノム医療におけるELSI(倫理的・法的・社会的課題)コラムについては、今年度追加される場合があります
「OPEN ▼」をクリックすると、メニューごとの詳細が表示されます。
- オンデマンド講師紹介OPEN
-
氏名 所属 担当章 池上 恒雄 東京大学医科学研究所 臨床ゲノム腫瘍学分野 准教授 1章 山口 貴世志 東京大学医科学研究所 臨床ゲノム腫瘍学分野 准教授 1章 鈴木 穣 東京大学大学院 新領域創成科学研究科
メディカル情報生命専攻 生命データサイエンスセンター2章 南谷 泰仁 東京大学医科学研究所附属病院 血液腫瘍内科 教授 3章 中川 英刀 理化学研究所 生命医科学研究センター チームリーダー 4章 井本 逸勢 愛知県がんセンター 研究所長 5章 藤澤 孝夫 国立がん研究センター東病院
トランスレーショナルリサーチ支援室6章 鎌田 真由美 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻 臨床系医療科学講座
バイオメディカルデータサイエンス分野 准教授7章 ※各先生方のご所属は動画収録時(令和4年度)のものとなりますので、ご了承ください。
- Q&A集CLOSE
-
No. 該当章 質問(Q) 回答(A) 1 1章 欠失をlossをいうことがありますが、lossとdeletionの違いは欠損部の大きさでしょうか。 合っています。lossは遺伝子の機能がなくなるイメージ、deletionは塩基がなくなるイメージです。 2 1章 がん遺伝子は正常でがん抑制遺伝子の変異だけでドライバー変異となることはあるのでしょうか。 がん抑制遺伝子が変異してドライバー変異になることは基本的にないです。しかし、ドライバーとがん抑制の二面性を持っているタンパク質があるので壊れ方によっては、ドライバー変異になりえます。 3 1章 がん種によって変異数の平均が異なるのはなぜなのでしょうか。がんになりやすい細胞の方が変異数が少なくてもすむということでしょうか。 種類によって発癌メカニズムがことなります。 4 1章 クロモスリプシスでからでてくる蛋白質はなぜ機能するのでしょうか。 基本的には機能しないです。それでも細胞として生きていける領域が残っているものが、確認できていると考えております。 5 1章 クロモスリプシスは悪性腫瘍でおこっているのか、正常細胞でクロモスリプシスがおこることでがん化するのかどちらでしょうか。 一般論、クロモスリプシスは後期なイベントと言われています。染色体が完全にバラバラになるのは明らかに後期のイベントです。しかし、クロモスリプシスの小さいバージョンがたまに生じているという話もあります。 6 1章 クロモスリプシスは全エクソンやターゲットシークエンスでは検出できないのでしょうか。 検出不可能ではないかもしれないですが、WGSの方がより正確に検出できます。 7 1章 悪性黒色腫はTMB highで有名ですが、MSI lowです。どのように解釈すればよいでしょうか。 MSIがもたらす変異は、紫外線では生じにくいと考えています。 8 1章 1個の染色体に数十個の構造変異があれば、chromothripsisと言っても良いのでしょうか。 言ってよいでしょう。 9 1章 p.14 ゲノム不安定性によってLOHが生じやすいとあります。がん抑制遺伝子の機能喪失でLOHが生じやすいメカニズムを教えてください。 実は逆となります。染色体の領域がなくなると1コピーなくなるので、それをコアとしてがん抑制遺伝子もなくなります。がんから見るとそういったことが生じていることが多いです。 10 1章 マイクロサテライト不安定性と染色体不安定性の両者の合併は稀とあります。それならば、BRCA変異とMLH1変異の両者が検出されることは稀ということでしょうか。 まれだと思います。変異の入り方がそれぞれ違います。がん抑制遺伝子が特定のパターンで壊れればいいので、全部壊れる必要はないです。 11 1章 ドライバー遺伝子由来のタンパクだけでななく、Tp53などのがん抑制遺伝子も、悪性度が高いと免疫染色での陽性率が高いです。がんを抑えるために、tp53が過剰発現している、あるいは、tp53変異蛋白は蓄積しやすいためとの理解でよろしいでしょうか。 合っています。がん抑制遺伝子の発現を行進させても、機能しないタンパク質であれば意味がないです。 12 1章 オンコマイン ・マルチ(オンコマインDx Target Test マルチ CDxシステム)のようなアンプリコン法のPCRと、F-1(FoundationOne)のようなブリッジPCRとは、同じNGSなのにどう違うのでしょうか。 手法の違いではなく、それぞれ工程の異なる段階で行うPCRを指します。アプリコンPCRでいうPCRは、NGSライブラリ調製の過程でテンプレートDNAを増幅させる手法です。ブリッジPCRはNGSのフローセル上で局所的に分子のクラスターを作製するためのPCRです。 13 1章 CNAのtandem repeatとSNVのamplificationを別に分類するのはなぜでしょうか。何か定義が違うのでしょうか。 一般に大きな領域に起こるものをSVの1種としてのCAN、小さい領域のものを複数延期のSNV(特に単純反復配列の拡張)、と分けることがありますが本質は変わりません。 14 1章 FusionはIntron同士がくっ付くと聞きました。Exon同士がくっ付く事はないのでしょうか。 ありますが、イントロン同士の方が確率(頻度)が高いです。 15 1章 WESではfusion遺伝子の検出が難しいと聞きました。なぜですか。 WESではゲノム中のエキソン部分だけと限られた領域をシーケンスしていることから、その領域外で生じたfusionを検出できないためです。 16 1章 染色体検査を提出し、G分染法とSKY法で染色体異常の種類が異なる場合,どのように解釈すればよいでしょうか。(一方でadd、もう一方でdelなどの場合) 染色体検査は講習の範囲外ですが、全ゲノムシークエンスの結果が最終的に正しいです。 17 1章 コンパニオン診断薬はなぜ原則、治療薬と標的変異の関係が1:1の対応なのでしょうか。 必ずしも1:1ではありません。EGFR変異に対する治療薬は複数ありますし、複数の標的に効果があるチロシンキナーゼ阻害剤もあります。一つのマーカーやコンパニオン診断薬に対して複数の薬剤が紐づくこともありますし、また一つの薬剤に対して複数のコンパニオン診断薬が紐づくこともございます。PMDAホームページの「コンパニオン診断薬等の情報」https://www.pmda.go.jp/files/000239775.pdfなどもご参照頂けますと幸いです。 18 1章 臨床でパネル検査の機会が増え、多彩な臨床症状の割に遺伝子変異のバリエーションが少ないなと感じていました。ドライバーだけでは説明できずパッセンジャーやゲノム以外の要因も転移や増殖速度、殺細胞抗がん剤の感受性に大きく貢献するのでしょうか。 ゲノム変異以外に、細胞内のネットワークが変わっている可能性があります。
ゲノムの配列をベースとして、それで説明ができないところをエピゲノム・トランスクリプトームあるいは空間的な情報を追っていく必要があると考えています。19 1章 Tumor heterogeneityを起こす要因としてMSIなど挙げておりましたが実際にそのような症例は多くありません。一般的にCINやSNV等のheterogeneityを起こしやすくする要因はゲノムだけで説明できるのでしょうか。 ゲノムで説明できる部分がよく知られている、というのが現状では正しいと思います。ゲノム以外にも要因がある可能性は十分考えられます。特にミスマッチ修復遺伝子の遺伝子発現制御は重要な要素であると考えております。 20 1章 がんはワールブルグやグルタミノリシスなど代謝が変化していると思いますが、代謝に関わるタンパク発現量の変化(を起こすような変異)は、ドライバーやパッセンジャーとは違うように思いますが、遺伝子変異としてはどう解釈すべきなのでしょうか。 様々な解釈の可能性があります。公開データベースの情報などと合わせ、治療の標的や効果判定マーカーとなる遺伝子・変異・パスウェイの選択などに使用する等です。 21 1章 プロモーター領域変異がタンパク質の発現を見るために、あるいは転座の機能への影響を考えるということで必要ということなら、むしろエピゲノム的なサイレンスも見るために、全ゲノムDNA解析より全ゲノムRNA解析の方が目的に合っているのではないでしょうか。 プロモーター領域の変異を同定するためにはWGSが必要です。それに加えて、エピゲノム的なサイレンスを見るためにRNAの発現を調べるRNA-seqをやることをお勧めします。
また、プロモーター領域のクロマチン制御などを調べるためにATAC-seqという解析手法もございます。これらを複合的に取り入れることで、より効果的な解析が見込まれます。22 1章 TMBの評価は解析領域全体とExon領域のみとどちらで評価すべきでしょうか。またその理由を教えてください。 パネル・報告ごとに定義が異なります。TMB-highな腫瘍はネオアンチゲンがより多く誘導され免疫チェックポイント阻害剤の効果が高いことが予測できるという目的での観点からはコーディング領域のみが評価対象で良いです。 23 1章 質問するタイミングが異なり恐縮ですが、同義的変異が病的となるのはスプライシングに影響する場合のみと考えてよいのでしょうか。 基本的にはそうですが、例外もあります。できるかぎり他の変異など他の要因との兼ね合いも考慮すべきです。 24 1章 欠失をlossをいうことがありますが、lossとdeletionの違いは欠損部の大きさでしょうか。 こちら、ご回答いただきましたが、lossとdeletionの違いは、注目する側面の違い(deletionは欠失の物理的な側面、Lossはその効果の側面)と考えてよいでしょうか。欠失の場合で、以下の2例があったとして、例1はlossかつdeletion、例2はloss(のみ)と理解してよいでしょうか。例1:1コドン欠失によりフレームがシフトし、正しいタンパクに翻訳できず、すなわち機能が失われた場合、例2:3コドン欠失したがフレームがシフトせず、かつ抜けたアミノ酸が機能上重要でなく、タンパクとしての機能が保たれる場合 deletionは欠失の物理的な欠損、Lossは効果と物理的の両方を指す場合があります。例えばloss of functionは機能の欠損(効果)、copy number lossやLOH(loss of heterozygous)は物理的に遺伝子コピーや対立アリルが欠失したことを指します。lossのほうが機能的に直接影響する現象を表すイメージはあります。
例2は機能的にはあまり変化していないため、codon deletionとは呼びますが、lossと表現しない可能性が高いです。25 1章 第一章p30、WESはどうやってエクソン領域を区別してシーケンスしているのでしょうか。 エキソームのコーディング領域をカバーするオリゴヌクレオチドがベイトとして設計されており、そのベイトが張り付いた領域の配列を解析します。PCRのアンプリコンをまとめて読むということもなされています。 26 1章 全ゲノムをやったから、実際の患者に繋がったという例はどの程度あるのでしょうか。 全ゲノムを用いる検査は研究フェーズですが、ゲノムの発現制御領域をターゲットとする薬剤が出されはじめており、今後、全ゲノムの有効性が示されることが期待されています。 27 2章 RNA seqというのも聞いたことがありますが、WGSなどと何が違いますか。 RNA seqはRNA分子をシーケンスして遺伝子発現を、WGSはゲノム上の変異などを見る手法です。 28 2章 エキソンの領域をどうやって選んでシークエンスでよむのですか。 エキソームのコーディング領域をカバーするオリゴヌクレオチドがベイトとして設計されており、そのベイトが張り付いた領域の配列を解析します。
PCRのアンプリコンをまとめて読むということもなされています。29 2章 Target Sequenceでは、Depthが800未満、特に500未満は精度に問題があると聞いていますが、400x – 1000xというのは低いのではないでしょうか。 たとえば、がん組織中に1%の頻度で存在する変異アリルを10xでシーケンスするためにはdepthが1000x必要です。より低頻度な変異をシーケンスする場合はよりdeepなデータが必要となります。そのほかターゲットエンリッチメントに使用する試薬kitなど様々な要因で適切なdepthを決めるべきではありますが、一般的に1000xは低いといえるほどではないです。 30 2章 WGSのサンプルは、FFPEでも可能となってきますか。 可能です。DNA抽出の条件によってはDNAの品質の劣化が生じることがあるため、固定や固定後のDNA保存・抽出には十分注意が必要です。 31 2章 Sequence結果としてallele frequencyのcut off値の設定としてどれくらいが妥当なのでしょうか。 どのくらいの感度で変異を検出したいかに依存しますが、1%を基準とすることが多いです。 32 2章 WGSは新鮮凍結標本でなければ難しいと思うのですが、将来的に生検検体のFFPEなどで出来るようになる見込みはどれくらいあるのでしょうか。 可能です。DNA抽出の条件によってはDNAの品質の劣化が生じることがあるため、固定や固定後のDNA保存・抽出には十分注意が必要です。 33 2章 がん組織検体提出までの阻血時間の短縮や記録は外科医含めて病院全体として理解していただくことが必要でしょうか。 はい。少なくともしっかり記録を残すことは安定した解析に実施に重要な要素であると考えております。 34 2章 p48: 正常コントロールとして、脂肪組織でも大丈夫でしょうか。 腫瘍細胞の混入がない正常組織であれば問題ないです。 35 2章 リキットバイオプシーの正常対照はどのようにするのでしょうか。 FoundationOne Liquid CDxでは、正常対象のシーケンスはおこなっていません。正常対象に関してはリファレンスゲノムを使用します。 36 2章 先ほど1μg以上であればPCR freeでNGS解析可能ということですが、これはFFPEでのDNA量だったでしょうか。 いえ、新鮮検体です。FFPEでは状態にもよりますが、数倍のDNAを必要とします。 37 2章 FD1CDx (シスメックス)やNCCオンコパネルでは、事前にDNA量を測ってくれたり、DIN値を計測してから検査して、PCRが必要かなど事前評価して貰っているのでしょうか。 これは検査会社にお問い合わせください。 38 2章 実臨床では、検査会社がFFPEでの検体受付を行っていることや、病理診断の際にはホルマリン固定された検体のほうが有利である点が多いためにFF検体を扱うことは少ないように思いますが、今後、がんゲノム検査を主目的として、FF検体を中心としたワークフローを別に構築する必要はあるでしょうか。補足ですが、病理検査におけるワークフローについての質問です。 今後、ゲノム解析もFFPEを基本にした解析/検査体制に移っていくと思われますが、現在の大規模解析計画では、データ品質保証の観点からFFで行われていることが多いという理解です。 39 2章 p47: RNA seqを将来導入されることを考えた場合に、FFPEブロックの温度管理の指標というのはあるのでしょうか。 本質的にFFPEは室温での保存ということになるかと思われます。ゲノムの解析は可能ですが、通常の意味でのRNAの解析には、FFPEである時点で不向きです。 40 2章 研究でFFPE検体からのゲノムDNA抽出→NGSでWGSを行っています。いろいろ検討してFFPEから抽出したゲノムDNAの品質はパラフィンブロックになった時にすでに決まっていると考えております。ゲノムDNAの品質をなるべく損なわないホルマリン、パラフィン処理はどのようなものでしょうか。 こちらはいくつか検討も行われておりますが、あくまで病理診断と同じ検体が使える、という前提で、病理に適した条件が採用されることの方が一般的に思われます。 41 3章 実臨床ではなく、研究でWGSや癌のRNAseqを行う場合の、おすすめの会社など、ございますでしょうか。 特定の会社のご紹介は致しかねます。 42 3章 ゲノムシークエンスに加えて、トランスクリプトームを行うことが、がん治療に大きく寄与すると思うのですが、現在の技術でトランスクリプトームは可能でしょうか(実臨床レベルで)。 可能です。 43 3章 LOHやUPDに関する詳しい説明を希望します。 LOH:Loss of heterozygosity。ヘテロ接合の対立アリルの片方がCNA等により欠失し、ヘテロ性が失われることです。
UPD:Uniparental Disomy(片親性ダイソミー)。一対の相同染色体について、父母から片方ずつ由来するのではなく、両方とも片方の親に由来する状態のことです。父性片親性ダイソミーと母性片親性ダイソミーがあります。染色体の本数は正常になります。インプリンティング制御に関する疾患の原因になることがあります。44 3章 DNAメチル化はどのように解析するのでしょうか。 バイサルファイトシーケンス法やMSP法などがあげられます。最近ではナノポアのロングリードシーケンスなどを使うと直接DNAメチル化を検出できるようになってきています。 45 3章 全ゲノム検査の費用はどれくらいでしょうか。希少がんで解析を検討したいと思っています。 NGS受託会社によって、また時期によって価格が異なるため、NGS受託会社へお問い合わせください。 46 3章 p79: Second DNA signatureは、他者DNA混入以外に、ホルマリン過固定などのDNA劣化でも生じるのでしょうか。 はい、固定の過程で人工的に生じるいくつかの塩基変異が知られております。 47 3章 リキッドバイオプシーの場合のTMBが有意に高いとする値はいくつでしょうか。 がん種によると思っております。またどの遺伝子をターゲットに読んでいるか(cfDNAをWGSで読むことは少ない)にもよる気がします。 48 4章 パイプラインの違いについて十分な注意が必要ということだが、もう少し具体的に教えて下さい。 パイプラインごとに使われているツールが異なるので、検体によっては結果に差が出ることがございます。各ツールの特性を調べた上で利用するのが良いです。また、ご自身の研究領域でよく使われているようなツールを利用することをお勧めします。 49 4章 Mutect2, Strelka2, VarScan2, Genomon2はそれぞれどのような違いがあるのでしょうか。 また、市販のオンコパネルはどのようなアルゴリズムを用いているのでしょうか。 いずれも正常組織とがん組織を比較して体細胞変異を検出しますが、Mutect2はがん組織のみを用いた変異検出も実施可能です。Mutect2, Strelka2, VarScan2は一般的に利用されます。Genomon2は主にヒトゲノム解析センターのスーパーコンピュータシステム SHIROKANE上で利用できるシステムです。ある報告では、Mutect2とStrelka2はどちらも変異検出は同程度だが変異のAllele frequencyにが高い(>20%)場合はStrelka2、低い(<10%)場合はMutect2がやや優れていました。参考:Chen, Z., Yuan, Y., Chen, X. et al. Systematic comparison of somatic variant calling performance among different sequencing depth and mutation frequency. Sci Rep 10, 3501 (2020).
https://doi.org/10.1038/s41598-020-60559-550 4章 全エキソーム解析では、CNVやSVも解析できますか。 検出不可能ではないかもしれないが通常は行わないです。WGSやロングリードシーケンスの方がより正確に検出できます。 51 4章 腫瘍の純度がCNVに影響することは良く分かるのですが、腫瘍割合が10%として、2倍の4コピーだとすると200copyが220コピーにしかならないと思うのですが、それでどのようにCNVが判明するのか、良く分からないのですが、教えていただけないでしょうか。 正常組織と腫瘍組織におけるread depthを比較して検出を行います。NGSのread数は塩基配列の影響等を受けて変動しますが、同一検体由来の正常組織と腫瘍組織では同じ塩基配列を持つと想定できるため、両者のread depthの違いはコピー数異常や腫瘍純度の影響をのみを反映することになり、これを利用してCNVを検出します。そのため、腫瘍割合が低くなるとCNVの検出は難しくなります。逆に p.93 腫瘍purityの項では、通常200コピーの領域が220コピーあった場合に腫瘍割合を10%と推定する方法を示しています。 52 4章 tumor panelでgermlineでのgain lossの可能性をどのように評価したらよいでしょうか。 腫瘍パネル検査では一般的にgermlineのCNVの評価は行われないです。 53 4章 Liquid biopsyでのPurity assessmentというのは何をみているのでしょうか。 circulating free DNA中におけるcirculating tumor DNAの割合を推定したものと考えられます。 54 4章 WGSにおいて、細菌やウイルスが検出された場合に癌を引き起こした可能性などに関して検討することは可能でしょうか。 正常検体と比較してがん細胞でのみ細菌やウイルスが検出されるか、また単純なコンタミネーションとの区別が重要です。参考Cantalupo, Paul G., Joshua P. Katz, and James M. Pipas. Viral sequences in human cancer. Virology 513 (2018): 208-216.など
正常組織・腫瘍組織両方にウイルスが感染しており、ウイルス感染がゲノム変異に関与したことを疑う場合は、ウイルス感染に関わるパスウェイ上の遺伝子の変異蓄積などを検討することが考えられます。トランスクリプトームやエピゲノムと合わせての考察が推奨されます。55 4章 検出された構造異常のリード数が少ない場合、mean depthに対して何%以下をエラーとしますか。 まず絶対値として3本未満をエラーと判断することが多いです。割合については組織中の腫瘍細胞の割合も合わせて考慮するので、具体的に言える数値はないです。 56 4章 変異解析、Indel解析、CNV解析、SV解析で複数のパイプラインがありますが、素人なのでどれがよいか全くわからないので、先生が最もおすすめするパイプラインをそれぞれ教えていただけますか。 遺伝子解析を行うゲノム解析企業から解析データが送られてくるため、それらのパイプラインに準じたものを使用しています。解析パイプラインを構築した企業や研究所によりますが、Mutect2、Strelka2が使われることが多いのが現状です。 57 4章 ウイルス由来の配列の検出においては、参照配列をどのように設定するのでしょうか。 ウイルス由来の参照配列を公共データベースからダウンロードして、それを用いてマッピングをおこないます。 58 4章 がんDNAに生じたgermline系の変化は、末梢血でも同様に検出されるのでしょうか。されない場合には、どのように考えれば良いのでしょうか。 がんと末梢血(正常組織)で共通して検出される変異をgermline変異として考えます。がんDNAにのみ検出される変化は体細胞変異と考えます。 59 4章 p93: deletionがhomozygousかheterozygousか、WGSで凡その推定は可能と思いますが、正確にはWGSでない他の方法が必要でしょうか。 特に他の方法は必要ございません。より正確さを求める場合はSNPタイピング等従来の手法が考えられます。 60 4章 CNVのうち、lossあるいはgainの遺伝子のうちどちらの遺伝子機能を調べる方が有用なのでしょうか。 がん抑制遺伝子にlossがある、またはがん遺伝子にgainがある場合がんに促進的な変異であると考えられます。一律にどちらが有用とは言い切れません。 61 4章 P97: 全ゲノムになると、TMB-Hの臨床的に有用なカットオフ値は変わるのでしょうか。 実臨床において、VEPでは10をカットオフにしているが、いろいろあります。癌腫によってTMBの高さが異なるので、今後さらなる評価によってカットオフが変化する可能性があります。 62 4章 全ゲノム解析では繰り返し配列の領域が多くなり、解析エラーが起きやすくなるとのことでしたが、それがエラーであるか真の変異であるかはどの様に識別するのでしょうか。 short-readを用いた技術では、read depth等を用いて真かエラーかの推定は可能ですが、read depthは個体特有の繰り返し数にも影響され、原理的に非常に困難であることは否定できません。本当に真かエラーが判断したいのであれば、long-read等の新しい技術の利用を検討することが考えられます。 63 4章 CNVの評価が数kb~100kbの幅でのカウントになるため、germlineでの数100bpのhemi deletionが見逃されて誤診に繋がった例があります。数100bpのヘミ欠失を診断するにはNGSにどのような工夫が必要でしょうか。 検出の際のbinサイズを細かく設定することで、計算量は増大しますが、見逃しは防げるかと考えます。また解析者の能力に依存し、負担も増大しますが、ヘミ欠失であればBAMなどのアライメントデータの目視も非常に有効です。目的遺伝子が決まっていれば、CNV検出に特化したkitの使用により感度・精度も向上可能です。 64 4章 p97: TMBについてです。腫瘍のneoantigenとTMBは相関していないし、ICI(免疫チェックポイント阻害剤)の効果もevidenceが十分ではありません。TMBの臨床的意義をどう考えたらよいでしょうか。 ICI(免疫チェックポイント阻害剤)の効果が認められているがんとそうでないがん種があります。がん種によってはTMBよりも、治療標的となる遺伝子変異の有無のほうが臨床的に重要な場合もあるでしょう。TMBのICI治療効果予測マーカーとしての意義ががん種により異なることを示唆するデータなども発表されてきており、TMBの臨床的意義については今後変化する可能性もあるかと考えられます。腫瘍免疫原性との関連についてはneoantigen loadのみならず個々のneoantigenのclonality・免疫原性・HLA親和性などの影響も大きいと考えられるため、今後さらなる評価が必要とも考えられます。 65 4章 パイプライン毎に変異の検出が随分異なるということでしたが、変異タイプ(SNV, indel, CNV, SV, ウイルスインテグレート…) 別に信頼できるパイプラインが異なるという理解でいいでしょうか。 その理解のとおりです。たとえばGermlineのSNV/short Indel検出によく評価されているGATKのHaplotypeCallerも、indelはパラメータ調整を上手に行わないと、他のツールのほうが精度がよいという報告が散見されます。また、SNVとIndelは同じパイプラインで検出可能なことが多いですが、それ以外は変異タイプごとに使用できるソフトウェア・パイプラインが異なります。また、SNV検出パイプラインの間でも、特にdepthが小さい/リピート配列など検出が難しい領域において結果が異なる場合があります。 66 4章 体細胞変異の検出は、腫瘍細胞と正常細胞検体のシークエンスの差をみるとのことですが、生殖細胞変異の検出についてご教授ください。 生殖細胞変異検出では、あらかじめ決定されている参照配列にリードをマッピングすることで検出します。 67 4章 RNA sequenceは定量性と機能解析の面で遺伝子変異の臨床的影響への結び付けがされやすいため非常にメリットが大きいように思います。むしろDNA sequenceの存在感は下がってゆくのではないでしょうか。検体入手と保存での難しさはあると思いますが、もしこれらが解決されたとしたらRNA sequenceに弱点はありますか。 RNA seqでは遺伝子の発現レベルを、一方DNA seqはゲノムの変異を検出する技術です。これらはどちらが優れているというわけではなく、研究の目的に応じて相互に補完しあう形で使用されるべきかと考えます。 68 4章 腫瘍 purityについて改めて教えて下さい。 腫瘍purity すなわち検体中のがん細胞の割合が低いと体細胞変異検出が困難になります。なるべくpurityを高くすることが望ましいです。 69 4章 COSMICの変異signatureの決定ツールには、複数のパッケージがあります。具体的な使い分けが知りたいです。 変異パターンのクラスタリングを行ってからCOSMIC等の既知signatureに分類する2ステップの方法と、リファレンスありで直接既知signatureに分類する方法に分けられます。参考 Maura, F., Degasperi, A., Nadeu, F. et al. A practical guide for mutational signature analysis in hematological malignancies. Nat Commun 10, 2969 (2019).
https://doi.org/10.1038/s41467-019-11037-870 4章 逆位に関しまして、100−300bpに断片化したNGSの場合、逆位DNAが丁度いい場所にないと検出できない様に思うのですが、検出頻度 (検出できることが多い?運が良ければ検出できることがある?) などはいかがでしょうか。 ご理解の通り、逆位になった領域と正常領域の境目(breakpoint)を丁度シーケンスできた場合に検出されます。既知の変異を検出できるか試した際、運が悪いと検出できない場合もありました。ソフトウェアやパラメータを変更するなどトライできることはいくつかあります。 71 4章 p97: MSIについてですが、WGSは精度が弱い、WESではexonしかみない、Target seqは一部Intronで推定している、となると、MSIの評価はコンパニオン検査のcapillary 電気泳動PCRが一番よいということでしょうか。 MSI(microsatellite instability)の診断は、現在は5個ほどのマクロサテライトマーカー(BAT25、BAT26など)の塩基配列の長さの変化をもって診断されています。 72 5章 がんゲノム医療ではxmlファイルしか提供されません。エキパネでに評価のためにパイプラインに乗せたいのですが、VCFファイルに変換するにはどうしたらよいでしょうか。 一般的な方法はないように思われます。 73 5章 CNVの部分でCNVがLossの場合は、染色体上で当該領域が欠失している、Gainの場合は、当該染色体上で当該領域が重複しているから起こるのでしょうか。 そのとおりです。 74 5章 ANNOVERが最も一般的に使用されているのでしょうか。 論文の被引用数はSnpEFFやVEPに比べANNOVARが最も多いです。ただしアカデミア・非営利にのみライセンスされているため企業ではそれ以外の方法が使われていると考えられます。 75 5章 PolyPhen-2は検索しても時間がかかりすぎるのか、いつまで待っても結果が表示されなかったですが、こういうものでしょうか。 正常に結果が出る場合もありますので、ネットワーク環境かサービスの負荷が原因かもしれません。まずは入力データを小さめにして試していただくのはいかがでしょうか。 76 5章 生殖細胞系列のバリアント評価ですが、ACMG-AMPとClinVarの評価でVUS vs. Pathogenic程度の差が出てきた場合、どちらを信頼すべきなのでしょうか。 どちらかが誤りということではなく、評価基準がことなるものです。ACMG-AMPは頻度や機能有害性の予測データなど様々な要因を考慮した判定であり、ClinVarのpathogenic は論文でpathogenic/benignの報告があったことを意味します。 77 5章 dbSNPでeast asiaで頻度が少ないが検索してhitした変異でjMorpで報告がない変異はSNPと考えていいのでしょうか。 SNPのことを、狭義で(日本人の)集団内で一定以上(1%以上)の頻度がある変異、と考えるとSNPには該当しない可能性があります。 78 5章 p109: 融合遺伝子や増幅などのpathogenicかどうかの最良のデータベースはあるのでしょうか。融合遺伝子はexonの場所とかbreakpointとかXMLのみではわかりません。 FusionGDB
https://ccsm.uth.edu/FusionGDB は融合遺伝子と関連する薬剤と疾患の情報を提供します。79 5章 体細胞バリアントの臨床的意義づけにおける、承認薬があるか否かについてですが、Tier 1(個々のバリアントについて承認薬があるか否か)については、コンパニオン診断薬の対象となるバリアントか否か情報が公開されていなければ判断困難と思います。例えばBRCA1/2についてはOncoKBのFDA-recognized contentの情報はBRACAnalysisの情報に対応しているのでしょうか。 BRACAnalysisの情報は検査会社独自の分析手法を含みますので不明です。
https://myriadgenetics.jp/all-products/bracanalysis/breast-cancer/80 5章 p.118: somatic variantsのデータベースは、ACMG-AMPガイドラインとは別の評価をしているというこでよろしいでしょうか。当たり前かもしれませんが、各データベース(企業解釈も含めて)が異なる場合も少なくなく、最終的にコンンパニオン検査で再確認した症例もあります。 はい、ACMG-AMPガイドラインとは別の評価をしていると考えられます。 81 6章 NCCでは報告に含まれていますが、F1ではデータの品質について具体的な数値報告がないように思いますが、報告書とともに返却されているのでしょうか。 質問にご回答しかねます。 82 6章 治療様式に関して、適応外使用という項目がありません。出口戦略として、自由診療ないしは症状詳記による保険診療への道を開く必要はありませんか。 適応外使用等に関して、道としてはありえます。しかし、可否に関しては臨床的な分野ごとに検討する必要があります。
症状詳記よる対応に関しては、癌腫によります。抗悪性腫瘍薬に関しては、薬剤費用が高額、有害事象の有無が他の薬剤に対して高いということから、症状詳記での対応は難しいと考えられます。しかし、希少疾患等で対応されている場合もあるので、認められるかどうかに関しては、ケースバイケースとなります。83 6章 エビデンスレベルDでは患者申出療養(通称:受け皿試験)の対象とはならないと判断されるのでしょうか。 患者申出療養に対する受け皿試験の対象となるかどうかについてはエキスパートパネルでの検討に基づき考慮されます。エビデンスレベルが高いケースが対象となりやすいですが、エビデンスレベルDでも対象となることもございます。 84 6章 本邦で行われたEPを踏まえて、他国の試験に参加するにはどうしたらよいのでしょうか。 系統だった参加の流れはないものと思われます。(1)国内で行われたがん遺伝子パネル検査結果を試験適格性の判断に使用可能かどうか、(2)試験参加施設で海外(日本)からの患者さんを受け入れ可能か、の2点がネックかと思われます。 85 6章 全ゲノムを患者様に実施した経験があれば、教えて下さい。 全ゲノム解析を実施した経験はありません。クリニカルキャンサーリサーチの報告によると、固形癌でWES/WGSを実施すると、融合遺伝子が高精度に検出できたという報告があります。また、全ゲノムとパネル検査を同時に行う MONSTAR-SCREEN-2 を用いた研究を開始しています。その有効性の評価は今後となります。 86 7章 データベースの使い分けはどうするのでしょうか。 臨床医として使用する際は、薬剤の治療効果を初めとした臨床的意義を意識しているため、CIVIC、OncoKBなどを使用しています。一方で遺伝性希少症候群に関しては、Clinvar等を参照しています。 87 7章 多くのデーターベースや機能解析ソフトを紹介されていますが、エキスパートのメンバーとしてまずマスターすべきデータベースを教えてください。 遺伝子パネル検査等の解釈を行う際には、CIVIC、OncoKB、clinvarなどを用いていれば問題ありません。
OncoKBはデータがコンパクトにまとまっているので、手早くアノテーションを付ける際にはOncoKBのデータベースを参照しています。次にCIVIC等のデータベースを参照するという形をとっています。88 – Fusinon検査で結果に表示されるIn-frame= Status= Supporting read pairs= の解釈の仕方を教えて下さい。 Supporting read pairsは一般的に融合遺伝子の検出に直接寄与している(breakpointをシーケンスしているまたはspanしている)read pair数のことだと考えられます。融合した時に、ふたつの遺伝子のタンパク質の読み枠があっているかどうかです。STATUSは分かりませんが、逆位とか転座、とかがはいるのでしょうか。あとSupporting Readは接合点をまたぐリード数と思われます。 89 – WGSを行うにはどの程度のスペックのPCが必要でしょうか。 WGSの解析には大容量の記憶媒体とメモリが必要となります。メモリは32GB以上、CPUは8Core以上で複数検体を並列計算するならばさらに必要になります。容量はシーケンスデータたち(fastq)の10倍はあるとよいでしょう。ご自身で準備されるよりSHIROKANEの使用をおすすめします。 90 – 再構成 (rearrangement)と構造変異 (structural variant)は同義でしょうか。 再構成は現象、構造変異は結果として検出されるゲノム変異を指す文脈で使われるようです。 91 – 患者申出療養はどのような変異が検出したら、これに該当するのでしょうか。 エキスパートパネルの判断によるところもあるので一概には言えないですが、Aなどの高いエビデンスがつくものについて、考えられているのではないでしょうか。例えば、すでに米国で効果が確認さていますが、本邦における承認がないケースなどが該当すると思われます。