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クリニカルバイオバンク学会シンポジウムにてオンデマンドセミナーを開催します

アメリエフ株式会社はクリニカルバイオバンク学会にてオンデマンドセミナーを開催します。
本セミナーは、会期終了後(6月6日・7日予定)に録画した内容がオンデマンドで配信されます。

大会

大会名 第6回クリニカルバイオバンク学会シンポジウム
会期 2021年5月29日(土)〜2021年5月30日(日)
会場 オンライン

オンデマンドセミナー

タイトル 全ゲノム解析の医療応用に向けたバーチャルパネルへの取り組み
講演要旨 難病やがんの臨床現場において保険収載されたゲノム検査が開始されている。これらの検査では疾患原因となり得る数十~数百程度の遺伝子を対象としたターゲットパネル検査が実施される。一方で、患者の全ゲノムデータ(WGS)もしくは全エクソームデータ(WES)を読んで置き、検査目的に応じて対象遺伝子を選定するバーチャルパネル検査の手法も存在する。我々は、一般的なターゲットパネル検査とバーチャルパネル検査を3つの観点(①疾患原因の確定、②経済的合理性、③将来的な発展性)より比較検討した。

「①疾患原因の確定」に関し、バーチャルパネル検査はWGSもしくはWESのデータを読むことを前提とするため、ターゲットパネル検査よりも疾患の原因遺伝子を見落とす可能性が低い。また例えば、新規にOMIMに登録される疾患原因遺伝子は年間に約180件のペースで増加し続けているなど、疾患原因に関する科学的知見は増大し続けている。バーチャルパネル検査は科学的知見の更新に追随する形で患者データの再解析を行うことで、新たな疾患原因を特定することができ、診断確定率の向上に寄与し得る。またWGS, WESとの比較においては、偶発的所見が少なく、臨床検査に適すると考えられる。

「②経済的合理性」に関し、NGSで塩基配列を読むコストは、WGS>WES>パネル検査、の順に小さくなるが、近年、その差は急速に縮小しつつあり、近い将来、限りなく近接するとの報告が複数存在する。またNGS解析のコストを下げるには、1回の解析(RUN)で、多くの検体を同時解析することが重要である。この観点で考えた場合、バーチャルパネル検査であれば、異なる疾患患者の検体であっても同時にNGS解析することができる。これは特に、多様な病態を示す少数の難病患者の検体を迅速に解析する上で重要な特性となる。これにより、解析拠点の集約化を図ることが容易であり、ロジスティクスも含めたゲノム検査全体のコスト削減の余地が大きい。またWGS, WESの比較においても、バーチャルパネル検査はデータを解釈する際のコストが低く、経済的合理性が高いと判断される。

「③将来的な発展性」に関し、バーチャルパネル検査はWGSもしくはWESで読み取ったデータを蓄積し、再解析することを前提した手法であり、ゲノムデータの蓄積やその2次利用を促進する側面を持つと考えられる。また生涯不変であるゲノムデータの利用価値を最大化するには、人生の早い段階でゲノム情報を読んで置き、それをライフステージごとの要請に応じて活用するという姿があり得る。この未来のゲノム情報の活用方法はまさにバーチャルパネル検査と同じであり、この手法が将来においても重要であると考えられる。

我々は上記検討の結果、バーチャルパネル検査の社会実装を進めるべく、データ解析システムの在り方を含めた総合的な検討を行った。

※参加いただいた方のみ、オンデマンド配信を視聴できます。

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