シングルセル遺伝子発現Flex|WET&DRY解析【受託解析キャンペーン】
論文作成には欠かせない
パスウェイ・GO解析
擬似系譜解析
まで込みのスペシャルプライス
4サンプル260万円(税抜)
※FFPE切片の場合も同価格で対応いたします
▼データ解析の専門家による報告会の様子をご覧ください▼
サービス内容
【WET】シングルセル遺伝子発現Flex○ 10x Genomics社 Chromium Single Cell Gene Expression Flexによるライブラリ調製 |
○ Illumina社 NovaSeq X Plusによる1.5億リード / サンプル のシーケンシング |
○ Cell Rangerによる発現定量 |
○ 解析レポート、中間報告および最終報告(手法解説、結果解釈のディスカッション) | ||
○ 発現定量解析(クオリティコントロール、正規化、データ統合、次元削減、クラスタリングおよびUMAP上の可視化、クラスタごとの特徴遺伝子の探索 | ||
○ 着目遺伝子の選定、着目遺伝子の発現量可視化(Feature plot, Violin plot) | ||
○ 特定のクラスタに着目した再次元削減、サブクラスタリング | ||
○ サンプル間比較解析(各クラスタにおけるサンプル間発現比較解析、Gene Ontology解析、Reactomeパスウェイ解析) | ||
○ 擬似系譜解析 | ||
○ 細胞種同定はお客様ご自身で実施をお願いいたします。コンサルティング解析プランでは細胞種同定にも対応します。 |
データ解析内容
サンプル要件 / 注意事項
サンプルタイプ:固定分散済み細胞
(Chromium Next GEM Single Cell Fixed RNA Sample Preparation Kit 指定)
- 細胞数は106細胞以上であること。
- 固定分散済みの細胞をご提出ください。
- -80℃で保管していること。
- 固定分散は10x Genomics指定の手順に準じ実施していること。
- ※ 生物種はヒトおよびマウスになります。
- ※ FFPEの場合はサンプル要件等異なりますので別途ご相談ください。
- ※ 弊社で固定・細胞分散が必要な場合は、固定・細胞分散費用として、55,000円/サンプル(税抜)が発生します。
- ※ プローブを使用して RNAを検出するため、従来法より高感度ですが、配列情報の取得はできません。
価格表(税抜)
製品名 | 価格 | |
---|---|---|
①シングルセル遺伝子発現Flex WET&DRY | 4サンプル | 260万円 (65万円/サンプル) |
8サンプル | 500万円 (62.5万円/サンプル) |
|
②納品費 | クラウド納品 | 0.4万円/回 |
HDD納品 | 4万円/台 |
- 上記の解析に必要な費用は下記の合計金額(税抜) になります。
- 合計金額 = ①解析費用 (サンプル数×単価) + ②納品費
ご利用の流れ
- 研究目的、サンプル情報をヒアリングし、お見積りを作成します。
- ご発注後、サンプルを準備いただき、シーケンスを行います。
- 中間報告会にて、途中結果の報告および解析方針の確認、内容についてのディスカッションを行います。
- 最終報告会にて、結果の報告および内容について、ご報告します。
シングルセルRNAseq解析とは
シングルセルRNAseqとは、細胞の遺伝子発現プロファイルを一細胞レベルで取得して観測する画期的な技術です。これまでのRNAseq解析では、観測対象が細胞集団であり、細胞集団における各遺伝子の”平均的な”遺伝子発現を測定していました。一方、scRNAseqは細胞集団内の個々のトランスクリプトームを捉え、細胞特異的な変化を同定することが可能になります。Science誌において2018年のBreakthrough of the Yearとしても選出された技術であり、近年盛んに研究に用いられています。
実験のポイント
シングルセルRNAseqでは、細胞の生存率が非常に重要です。
死細胞が溶解すると周囲にRNAが遊離し、分析時のバックグラウンドノイズの一因となり、シングルセルデータの品質を著しく低下させるため、細胞の生存率を高める必要があります。一般的には生存率90%以上が推奨され、クリアな解析結果を得るためには、80%程度以上の生存率が必要です。
またライブラリ調整に際しては、細胞数が106以上であること、細胞サイズが直径 30μm以下であること、細胞を分離させておくことなどの条件をクリアする必要があります。
解析のポイント
特定の細胞種ごとの遺伝子発現プロファイルを確認します。まず、データのクオリティを確認した上で、細胞をクラスタリングし、各クラスターごとに遺伝子発現の状態を把握するための一連の解析を行います。
高次解析により得られる図表の例
研究事例
1)がん組織の不均一性における薬物耐性の発生機序解明に関する研究
- 薬物耐性獲得のメカニズムの解明は、がんの薬物治療において不可欠な要素です。耐性獲得の背景は、様々あるとされていますが、がん組織の不均一性がその原因の一つであると考えられています。Kashimaらは、がん組織の不均一性における薬物耐性の発生機序解明にscRNAseq解析を利用しました(Kashima et al., Cancer Res, 2021)。
- 具体的には、オシメルチニブ耐性細胞の出現機構を解明するために、EGFR遺伝子に変異をもつヒト肺腺がん細胞株であるNCI-H1975細胞を用いて一細胞解析を行いました。H1975はオシメルチニブ感受性の細胞であることが知られていますが、この細胞を段階的にオシメルチニブに曝露し、各段階での細胞群をscRNAseq解析することで、①親株に少数のオシメルチニブ耐性細胞が存在すること、②オシメルチニブ曝露群にしか出現しない細胞群が存在すること、が明らかになりました。
2)発生/分化分野での毛包形成研究
- 全世界で男性の50%、女性の25%が薄毛に悩んでいると言われており、自己由来の幹細胞から毛包を誘導する研究が注目されています。しかし、生体内での毛包のde novo形態形成については、毛包の不均一性や非同期的な発達のため、アプローチが難しく理解が進まない状態でした。このような観点から、毛包のde novo形態形成の基礎となる分子経路を明らかにすることは、毛包の発生に関する深い洞察をもたらし、in vitro条件下での毛包の発生を誘導する上で重要な意味を持つと考えられます。
- GeらはscRNAseq技術を用いて、様々な分化期におけるマウス背部皮膚から得られた細胞群に対して一細胞のトランスクリプトームを統合的に解析しました(Ge et al., Theranostics, 2020)。その結果、9つの主要な細胞集団の同定と、上皮/真皮細胞系の分化の軌跡を構築することに成功し、細胞の運命決定に関わる主要なレギュロンが順次活性化されていることを明らかにしました。